シリーズアメリカ再発見㉛
A River Runs Through…
テネシー州チャタヌーガ

文&写真/佐藤美玲(Text and photos by Mirei Sato)

食べる

Photo © Mirei Sato

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テネシーといえば、ウィスキー。ジャック・ダニエルの蒸留所など、有名どころが州内に沢山ある。チャタヌーガにも美味しいウィスキーがあり、カクテルに最適。かつての「密造酒」、ムーンシャインも健在だ。
チャタヌーガ名物といえば、甘~いお菓子の「ムーンパイ」。グラハムクラッカー、チョコレート、マシュマロの組み合わせ。ダウンタウンに直売店がある。


Benton’s Smoky Mountain Country Hams

logo

2603 Highway 411 North, Madisonville, TN
Bentonscountryhams2.com
カントリースタイルのハムとベーコンが超有名。名前を聞いただけで、アメリカ人が舌なめずり、よだれをたらす。ブラウンシュガーを使い、長時間かけて塩漬けにした肉を、昔ながらの手法で、ヒッコリースモークでいぶす。グルメな若者たちの間でも人気が沸騰している。


Lodge Cast Iron Factory Store

Photo © Mirei Sato

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503 South Cedar Avenue, South Pittsburg, TN
www.lodgemfg.com
その名を聞いただけでアメリカ人の目がロマンチックにうるんでくる。それがロッジ社製のCast Iron Dutch Oven(鋳鉄の厚手鍋)だ。
1896年創業。特に南部では、家族が代々受け継ぐもので、アメリカの台所のシンボルといっていい。キャンプ場などでもよく見かける。大半のアメリカ人は、ボーイスカウトやガールスカウトで、その使い方を学ぶ。
使い込むほど、底がどんどん滑らかになるという。「年を重ねるほどに味がでる、女とウィスキーみたいにね」が、うたい文句。一番の売れ筋は、使いやすい12インチのスキレットで、同社のロゴにもなっている。
取材で出会ったテネシー出身の女性は、祖母の代から伝わるロッジ社の鉄鍋を、ある年のサンクスギビングに、「東海岸の都会からきた甥っ子が、なんと洗剤つけて洗っちゃってたのよー! 知らずにコーンブレッド焼いて、一口食べて吐き出しちゃったわ」と怒り心頭していた。甥にしてみたら、食後に気を利かせて台所の手伝いをしたつもりだったのだろうが…。
鉄鍋でつくれる料理はいろいろあるが、代表はコーンブレッドだろう。毎年4月、コーンブレッドのフェスティバルが開催され、この時に限って、ロッジ社の工場が一般公開される。
150年前には多くのメーカーが存在したが、現在はアメリカの鋳造会社はロッジのみ。もう1社あったが十数年前につぶれたそうだ。
ロッジ製品は決して安くはない。大型小売店にいけば輸入モノや安いブランドはいくつも見つかる。ただ、クオリティーの違いは触ってみるとすぐわかる。


Sequatchie Cove Farm and Dancing Fern Nursery

Photo © Mirei Sato

Photo © Mirei Sato

320 Dixon Cove Road, Sequatchie, TN
www.sequatchiecovefarm.com
いくつもの賞をとっているチーズ「Dancing Fern Cheese」を製造しているのがここ。「Sequatchie Cove Creamery」のブランド名で、チャタヌーガ周辺のレストランやファーマーズマーケットで味わえる。サンフランシスコやロサンゼルス、ニューヨークならグルメショップでも買える。デルタ航空の国際線ファーストクラスでは機内食に取り入れられている。
家族経営の小規模な農場。カンバーランド高原特有の多様な生態系をいかして、酪農のほか、ブルーベリーやシイタケも生産している。
アメリカ人ライターたちは、木の幹にはえるシイタケを見るのが初めてで、一様に驚いていたが、私が「懐かしい、小学校の遠足で秩父にシイタケ狩りに行った」と言うと、オーナーのビル・キーナーさんに「あなた日本人でしょう?」と聞かれた。というのも、ビルさんは以前東京に住んでいて、そのとき初めてシイタケ栽培を目にしてインスピレーションを得たのだそうだ。


Bald Headed Bistro

Photo © Mirei Sato

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201 Keith St SW, Cleveland, TN
www.baldheadedbistro.com
ワイオミングの丸太小屋をイメージしたワイルドな店構え。ハーティーで、かつ繊細な味わいの料理を出す。エルク、バイソンなど、肉は何を頼んでも間違いない。都会でもなかなか食べられないレベルの料理が、都会ではあり得ないリーズナブルな値段で食べられる。ハッピーアワーは、ワインやカクテルがかなりおトク。


Sugar’s Downtown

Photo © Mirei Sato

Photo © Mirei Sato

507 Broad Street, Chattanooga, TN
www.sugarribs.com
チャタヌーガのダウンタウンにあるバーベキューの店。ソースでごまかさず、肉そのものの味と、スモークのフレーバーが楽しめる。周辺にもカジュアルなレストランが沢山ある。


Jenkins Deli

Photo © Mirei Sato

Photo © Mirei Sato

88 Mouse Creek Road, Cleveland, TN
www.jenkins-deli.com
地元で知らない人はいない、レストラン。手作りのチキンサラダが有名。サンドイッチにはさんだり、サラダにのせたり。クラッカーにつけてそのまま食べてもいい。遠方からドライブしてくる客もいて、いつも混雑している。


Bluff View Art District

Photo © Mirei Sato

Photo © Mirei Sato

www.bluffviewartdistrict.com
チャタヌーガは川のある街だが、かつては汚染がひどかったという。優良企業の本社があってもここには住みたくないという理由で、多くの労働人口を失った時期もあった。1980年代に大清掃と再開発が始まった。その代表的なエリアで成功しているのが、ブラフ・ビュー地区。アートギャラリーや、地域に根ざしたカフェ、レストラン、ベーカリーなどが集まっている。川べりに、彫刻を集めた公園があり、イサム・ノグチの作品も見られる。

泊まる


Chattanooga Choo Choo

Courtesy of Chattanooga Choo Choo

Courtesy of Chattanooga Choo Choo

1400 Market Street, Chattanooga, TN
1-800-TRACK-29 (872-2529)
www.choochoo.com
1906年に建設されたサザン鉄道の駅舎で、交通の要所としてにぎわっていた場所。線路とホームをそのまま残し、客車を改装して客室にしている、ユニークでチャタヌーガらしいホテルだ。寝台車の客室に泊まると、まるで列車を旅しているような感覚になる。全360室で、1泊109ドルから。さらにモダンに改装中で、今年の春にレストランなどがオープンする予定。
チャタヌーガといえば、グレン・ミラーやキャブ・キャロウェイなどのビッグバンドが演奏した、「Chattanooga Choo Choo」という曲があまりにも有名。このホテルも、「チューチュー」の愛称で親しまれている。


チャタヌーガとその周辺の最新観光情報はここで!

●Tennessee Department of Tourist Development
www.tnvacation.com
テネシーは、メンフィス、ナッシュビル、チャタヌーガなど、地域によってそれぞれ強い個性がある州だ。「Made in Tennessee」というキャンペーンを展開中。

●Chattanooga Area Convention & Visitors Bureau
www.chattanoogafun.com

●その他参考になるウェブサイト
www.southeasttennessee.com
www.developmentdistrict.com
www.visitclevelandtn.com
www.tennesseeoverhill.com

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佐藤美玲 (Mirei Sato)

佐藤美玲 (Mirei Sato)

ライタープロフィール

東京生まれ。子供の時に見たTVドラマ「Roots」に感化され、アメリカの黒人問題に対する興味を深める。日本女子大英文学科アメリカ研究卒業。朝日新聞記者を経て、1999年、大学院留学のため渡米。UCLAアメリカ黒人研究学部卒業・修士号。UMass-Amherst、UC-Berkeleyのアメリカ黒人研究学部・博士課程に在籍。黒人史と文化、メディアと人種の問題を研究。2007年からU.S. FrontLine誌編集記者。大統領選を含め、アメリカを深く広く取材する。

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